革の質感を活かした長財布3
前回の革の質感を活かした長財布2に引き続き、もう一つ長財布を作成しました。
この記事では革の質感を活かした長財布の作り方(手作り)をご紹介しています。
革を前回同様切り出します。
今回は型紙を使って切り出しましたので、革を切り出す作業は凄くスムーズでした。
型紙の力を思い知らされます。
Table of Contents
革を切り出す
トコノールで磨く
前回は載せませんでしたが、毎回トコ面はトコノールでしっかり磨き込みます。
こちらは磨きこんだ後です。
ちなみに、革の裏面をトコ面、表面を銀面、断面をコバといいます。
トコを磨く場合は、私の場合トコノールを使います。
トコノールは混ぜてから使う必要があるので、竹串か使わない割り箸か、まあ汚れて良いもの何でも使って中身をぐりぐりかき混ぜます。
かき混ぜてから、タオルなどの柔らかい布にトコノールを付けて、革に摺りこんでいきます。
半乾きになれば、ガラス板やコバ磨きで磨きこみます。
ガラス板で磨くとき、ガラスの境目が屈折するので若干めまいがします。。
カード入れ部分を先に作成
トコ面を整えたら次にカード入れ部分を作成します。
こちらも前回同様片側4ポケットの合計8枚カードを入れられるようにするので、内側のポケットから縫い付けます。
内側のポケットについては後で上から外側のポケットを縫い付ける必要があるので、革が重なる部分は先に切り落としておきます。
このように、底から1.5cm分あけて内側ポケットをベースになる革(20✕8)に張り付けます。
ちなみにポケット部分で使用するのは19✕5で切り出した革です。
次に外側のポケット部分の革を張り付けます。
貼り付けた段階で菱目打ちで穴を開けますが、この時真ん中の穴あけ縫い付けも忘れないように注意します。
真ん中の縫い付けが完了してから2つのカード入れを張り付けて全体を縫い合わせればカード入れ部分が完成です。
革の重なりを調整したところはこのようになります。
表面の革を作成する
次は財布の表面の革ですが、4枚の革は事前に2組ずつ内側にトコ面がくるようのりで張り付けて、そのうちの1組の革に穴あけ用の印を付けてしまいます。
菱目打ちで全体に穴を開ける
この接着状態のまま菱目打ちで全体に穴を開けてしまいます。
片側の穴が開け終わったら、もう1組の革をこちらものりで張り付け、穴をトレースしてもう一度菱目打ちで開けていきます。
トレースすれば、細かいところの穴もずれること無く仕上がりが綺麗になります。
この時に、カード入れ用の革も一緒に穴をあけてしまいます。
やり方は同じで、トレースする前にカード入れの革をノリで張り付けておくだけです。
2組の革を一旦バラす
穴をトレースし終わったら、2組の革を一旦バラします。
ファスナーをのりで貼り付け
バラしてから、片方ずつ慎重にファスナーを貼り付けて、塗っていきます。
ファスナーののり付けが完了したら、完成させておいたカード入れを張り付けます。
残りのファスナー部分以外のところを縫い付けていきます。
完成
しっかり縫い付ければ革の質感を活かした長財布の完成です。
ファスナーの縫い口の締めの部分は長さを慎重に調整する必要があります。
ファスナーが閉じた状態でどうなるかをイメージしながら縫い付けていかないと、
いざファスナーを閉めた時にイメージとぜんぜん違う!となってしまうので注意が必要です。
ファスナーの片側は飛び出してる革に、しっかり止がはまるよう縫います。
しっかりのり付けして縫っていけば綺麗に仕上げられます。
内側の革も、しっかり縫えていることを確認したら完成です。
長財布の場合、革の切り出しや革の縫い付けは型紙やのりづけをしっかりすれば問題ありませんが、
ファスナーの取り付けだけ慎重に作業する必要があります。
特にカーブしている部分はしっかり張り付けていないと縫いながらずれることもありますし、
実際にファスナーを閉じてみたらその部分だけこんもり膨らんだなんてことにもなります。
閉じた状態でしっかり寸法を図り、縫う場合はファスナーを空けるしか無いので
閉じた状態の確認しながら進めるようにします。
以上、革の質感を活かした長財布の作り方でした。