タンニンなめしやクロムなめし 革の呼び方の違い

こんにちは!革小物のaekana( @leather_aekana )です。

革を買いに行って、タンニンなめし、クロムなめし、ヌメ革、オイルレザー、サドルレザー、スムースレザーなんちゃらレザーっていっぱい呼び名あるけど何がどういう革なの?動物の種類なの?と思ったあなた、わたしと同じです。

わたしもレザークラフトを始めたころ、とりあえず革がなければ何も出来ない!とりあえず革を買おう!と、浅草橋のタカラ産業さんへ意気揚々と革を買いに行き、いろいろな呼び名の付けられた革を見て何もわからず、シンプルそうなタンニンなめしのヌメ革を買ったのが一番最初です。

専門業者ではございませんので詳しい説明はできませんが、東急ハンズなど量販店でもよく見る種類の革の名前と特徴についてご紹介します。

この記事はこんな人におすすめです!

  • レザークラフトをこれから始めようとしている人
  • なめしって何?から調べている人
  • オイルレザー、サドルレザーなど違いが漠然としている人

タンニンなめしやクロムなめしとは?

なめしとは

皮に柔軟性を持たせて防腐処理をする作業のことを「なめし」といいます。なめしを漢字にすると「鞣し」と書くので文字通り革を柔らかくするということです。革を鞣す代表的な「なめし」剤として植物性のタンニンと金属化合物のクロムの2種類があります。

タンニンなめし

張りがあって硬めの革です。染色されていないものが多く、最初にレザークラフトとしてイメージに浮かぶ革かもしれません。わたしは以前タンニンなめしの革(ヌメ革)でキーケースを作成してました。

あと、ブログにアップしていませんが、知人にタンニンなめしの革で財布も作ってプレゼントしてます。経年変化がはっきりわかるので「THE レザークラフト」というイメージです。

ただし、水に弱かったり汚れやすかったりするので本来は身近な小物類には向かない革です。一般的にも小売店等でタンニンなめし革の製品をほぼ見ません。個人で使う分にはまったく問題ないです。

タンニンなめしはクロムなめしの何倍も鞣す期間が必要らしく、現在はクロムなめしがコスト的に主流になっています。

クロムなめし

短い期間で鞣すことができるのでタンニンなめしの革より安い物が多いです。触り比べると一目瞭然ですが、タンニンなめしの革よりも柔らかく軽いです。ですが、革としても強度もしっかりあります。小売店等で見かける身近な製品はほとんどクロムなめしの革でしょう。

わたしは以前浅草橋のアビチさんでクロムなめしのどでかい革を購入したことがあります。

このサイズで6,000円程度です。この1枚の革から財布やらキーケースやらマネークリップやら色々作成させてもらいました。牛さんと職人の皆様に感謝。

牛革のいろいろな呼び方

さて、なめしの違いは理解できたとして、革問屋さんへ行くといろいろな名前の革が並んでいます。レザークラフトって「牛革」でしょ?と思ってお店にいくと面食らうでしょう。以下はよく見かける革の呼び方ごとの特徴です。

ヌメ革とは

上記で説明したタンニンでなめされて、染色や仕上げがされていない革のことを指します。経年変化がわかりやすくでます。使い込むまでは少し黄色がかった白っぽいいろなのですがどんどんキャラメル色になってテカテカして形が馴染んでいきます。変化が楽しめる革として重宝しますね。

先にご紹介したブログ記事のサムネイル画像でもうっすら見えているのですが、仕上げがされていないので牛の血管の筋などがそのまま残っていたりします。

サドルレザーとは

サドルは鞍という意味がます(https://ejje.weblio.jp/content/saddle)。擦れる鞍に使うくらい丈夫な革で、タンニンなめしの革にオイルを染み込ませて仕上げてあります。

わたしが過去利用した栃木レザーはサドルレザーです。

オイルレザーとは

サドルレザーにもっとオイルを使った革です。サドルより柔らかくしっとりした手触りが特徴です。

その他

牛革の部位

革を使った商品の商品名や商品説明で、「ベンズレザー」や「ベリーレザー」という言葉を見たことは無いでしょうか?これは革の部位を表していて、それぞれ以下のような分け方と呼び方があります。

牛革の部位 名称

以前浅草橋のアビチさんで購入した半裁のクロムなめし革を写真に使わせてもらいました。

ベルトやバッグによく使われるのは「ベンズ」という部分で繊維が緻密で引き締まっており、大きく革を確保できるためです。

「ショルダー」も同じ特徴を持っていますが、人間と同じで牛も背中がかゆいときは肩甲骨あたり。こすりつけたりするため傷が多めです。

「レッグ」はご覧の通り革が平らにならず波打っており、強いところ弱いところがバラバラになっているためベルトやバッグなどの製品としては使われないです。

わたしもメルカリで販売している革小物は「ベンズ」や「ショルダー」のきれいなところを利用し、「ベリー」「ネック」「レッグ」は自分用か知り合いへのプレゼント用に使っています。

牛革の単位

革はDSとかいて「デシ」と呼ぶ単位を使います。1デシは10cm✕10cmのサイズです。

浅草橋のタカラ産業さんでは革が筒状になって壁一面に置かれていたりハンガーラックに大量に吊り下げられていたりと所狭しと革が並べられています。

そんな中からお気に入りの一枚を見つけても、一枚でみると革はかなりの大きさになりますが、デシ単位でカット&注文することが可能です。(最低のサイズがあったかもしれません)

アビチさんでは半裁を丸ごと購入するのでデシで注文したことは無いですが、おそらくお願いしたらカット出来るものはしていただけるだろうと思います。(ご自分でお確かめください!)