本革のシンプルなマネークリップの作り方

こんにちは!革小物のaekana( @leather_aekana )です。

この記事では本革のシンプルなマネークリップの作り方(手縫い)をご紹介しています。型紙のサイズも記載しているので参考にしてみてください。

この記事は以下のような人におすすめです!

  • 本革のマネークリップを自分で作りたい人
  • 革小物をプレゼントで手作りしたい人
  • 小銭を持ち歩かないぜ!というすべての人

最近は一気に電子決済が普及して現金を持ち歩かないというひとも多いはず。かさばる財布はポケットが膨らみ邪魔ですね。

普段の生活は電子マネーで十分。だけどいつ必要になるかわからないから現金も少しは持っておきたい、でもかさばる財布は持ちたくない。そういう男性は多いのではないでしょうか?そんなわがままなあなたにぴったりなのがマネークリップです。

この記事で紹介しているマネークリップは札バサミとカードポケットが2つ付いているので、現金と交通系ICカードとクレジットカード、という必須アイテムをコンパクトにまとめることができます。

マネークリップならジャケットの内ポケットにいれても、ジャケットのシルエットを崩すことはありません。

普段のジャケットスタイルで利用するのもOKですし、結婚式・披露宴・式の二次会で着用するドレス・スーツでもフィットしたジャケットのシルエットを美しく保ちます!

しかも、ジャケットの胸ポケットからさっとマネークリップを出すとすごく渋い大人な感じがしませんか?本革のマネークリップならそんな演出も可能です。

どれぐらい手間なの?難しくないの?と思うかもしれませんが、 → 全然かかりません。
札バサミなんて売ってるの?と思うかもしれませんが、→ めちゃくちゃネットで売ってます。

マネークリップのクリップ部分は「札バサミ」といいます。わたしも最初は知りませんでした。

金具があるので作るのが難しそうに感じるかもしれませんが、すごくシンプルな構造なのですぐ作れます。どんな道具が必要かもわからない!という方は以下の記事もご覧ください。

まえおきが長くなりましたが以下、本革のシンプルなマネークリップの作り方の手順です。ぜひオリジナルの革を使ったクールなマネークリップを作ってみてください。

型紙のサイズ

必要なパーツは本体とポケット部分の革で、全部で3枚だけです。定規で銀ペンを使うだけでも良いです。

本体の革

画像にある通り、マネークリップの稼働する部分用に真ん中にくぼみを作っています。

横:21.7cm
縦:8.5cm

マネークリップ型紙 長い方
マネークリップ型紙 長い方

ポケット部分の革

こちらはカード類が取り出しやすい用に楕円にくぼみを入れています。

横:9cm
縦:8.5cm

マネークリップ型紙 ポケット部分
マネークリップ型紙 ポケット部分

革に銀ペンで線を引く

くぼみまでしっかり線を引きます。

銀ペンで銭を引いた後
銀ペンで銭を引いた後

ポケット部分はチリ落としをするため型紙通りに線を引く必要は無いのですが、のり付けの目印を入れるために全体の線を引いておきます。

銀ペンで線を引く ポケット部分
銀ペンで線を引いた後 ポケット部分

わたしは自分で使うために作っているので革の端っこのよれたところを使っていますがプレゼント用であれば真っ平らなきれいな部分を使いましょう。

革を切る

銀ペンでつけた線に沿って革たちで切り出します。

長い方を切り出し
本体を切り出し

ポケット部分はチリ落としできないカードを取り出すくぼみのところだけ切り落とします。

ポケットのくぼみを切る
ポケットのくぼみを切る

トコノールでトコ面を磨く

革を切り出したら貼り合わせる前にトコ面をトコノールで磨きます。磨くことで毛羽立ちを抑えられてクズがでないようになりますし、手触りも良くなります。

トコノールでトコ面を磨く
トコノールでトコ面を磨く

斑ですがトコノールが完全に乾くとなくなります。ポケットのカード取り出し部分のコバ面はこのタイミングで整えておきましょう。貼り合わせたり、縫い付けた後では磨きにくくなるためです。

トコ面にトコノールをヘラで塗って、ガラス板で磨きましょう。

革を貼り合わせる

両面テープがあれば貼り付けに使ったのですが、ちょうど手元に無かったので少し手間ですがヘラを使ってのり付けしました。両面テープがあればペタペタ貼るだけで終了ですが、手間をかけるパターンでご説明します。

サンドスティックで削る

貼り合わせる縁に沿ってサンドスティックで革を削ります。こうすることによってのりと革どうしを接着しやすくできます。

サンドスティックで縁を削る
サンドスティックで縁を削る

ヘラでのり付けする

ヘラを使って、サンドスティックで削った部分にのりを付けていきます。

ヘラでのり付け
ヘラでのり付け

のり付けについて詳しくは過去記事をご覧ください。

革を張り合わせると以下のようになります。

革を貼り合わせる
革を貼り合わせる

チリ落としする

本体の革からはみ出たポケット部分の革を切り落とします。この作業のことをチリ落としといいます。チリと言えないくらい革がはみ出してますが、これはわたしが大きめの端切れを使ったためです。本来は本体から少し大きいくらいでOKです。

チリ落とし後
チリ落とし後

ディバイダーで線を引く

チリ落としが完了したら形は完成しますので、糸を縫う穴をあけるための目印となる線を引きます。

ディバイダーで線を引く
ディバイダーで線を引く

ディバイダーはコンパスの様な形をした道具です。片方を革に添わせて、もう片方は革に押し付けて線を引きます。写真だと分かりづらいですが結構はっきりとした線が革に入ります。

菱目打ちで穴をあける

ディバイダーでつけた線に沿って、菱目打ちで穴をあけていきます。わたしは1.5mmの4本目の菱目打ちを使いました。麻糸の太さや好みに合わせて変更しましょう。

菱目打ちで穴をあける
菱目打ちで穴をあける

縫う作業に入る前に、麻糸や針、手縫いワックスの準備が必要です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

針、麻糸、手縫いワックスについて

縫い付ける

穴をあけきったらようやく縫い付ける作業ができます。後もう少しで完成です!針は2本用意して、穴に交互に入れていきます。

交互に針を通す
交互に針を通す
交互に針を通す
交互に針を通す

ひと穴ずつ交互に通して糸を絞るのがセオリーですが、なれてくると片方の針で5つほど先の穴まで行き、後からもう一方で5つ進めるということもできるようになります。

針と糸の向きさえ一定にできればそれでもきれいな縫い目に仕上がります。

ローラーで糸を押しつける

必須ではないですが、ローラーを使って糸を押し付けると縫い目がフラットになってより美しく仕上がります。特に糸が太い場合は全然見た目が変わるのでおすすめです。

ローラーで糸を押し付ける
ローラーで糸を押し付ける

このようにグリグリ押し付けます。麻糸が擦れにくくなるのでできればやっておきたいところです。

コバ面を整える

縁を縫い終わったらトコノールでコバ面を整えます。

コバ面も整える
コバ面も整える

わたしはコーンスリッカーを使ってコバを磨いています。革の厚みに応じたくぼみがあるので扱いやすいです。

金具(札バサミ)を縫い付ける

いよいよ金具の取り付けです。菱目打ちのタイミングでも良かったのですが、本体の革の中心部分のくぼみに垂直になるようにディバイダーで線を入れ、菱目打ちで穴をあけます。

金具取り付け用の穴をあける
金具取り付け用の穴をあける

このときも両面テープがあれば革を貼り合わせて一発で菱目打ちで穴をあけられたのですが、無かったので左右それぞれわけて穴をあけました。

このくらいの長さであれば感覚は合わせられるので問題なしです。金具を革の間に挟んで縫っていきます。

金具を挟んで縫っていく
金具を挟んで縫っていく

縫う途中、下の方で1回と上の方で1回、金具の周りに糸を巻き付けて引き絞ります。そうすることで札バサミのバネ部分に麻糸が食い込み、より頑丈に革と金具をつなげることができます。

金具が抜けないようガチガチに縫う
金具が抜けないようガチガチに縫う

完成

金具を取り付けたら完成です!

しっかりお札が挟めます
しっかりお札が挟めます
カードポケットも問題なし
カードポケットも問題なし
シンプルでいい!
シンプルでいい!

必要な道具

今回マネークリップを作成するために使用した道具類まとめて記載しておきます。一覧にすると結構ありますね。一部道具の金額は下記記事で記載した費用を流用しています。
レザークラフトを始めるための必需品

  • 型紙(工作用紙) 200円
  • 銀ペン 308円
  • トコノール 328円
  • ガラス板 1,430円
  • コーンスリック 880円
  • サンドスティック 200円
  • ゴムのり(もしくは両面テープ) 713円
  • ヘラ 445円
  • 革たち 2,200円
  • ディバイダー 1,160円
  • 菱目打ち 935円
  • 木槌 1,155円
  • ゴム板 1,210円
  • 麻糸 382円
  • 手縫いワックス 266円
  • 丸針 198円
  • 札バサミ 712円
  • ビニール板 2,200円

道具を揃える費用

革はピンキリなので除外してますが、

合計すると14,922円!

こう見ると結構しますが、最初に買い揃えると後々長く使えるものばかりなので、長く続ける場合は初期投資と思いましょう(笑)

レザークラフトの必需品を紹介した記事のように徐々に買い揃えるべき道具は改めてご紹介していきます。

かかった時間

わたしの場合、2日に渡って4時間程度でした。ゆっくり作成したので初めての方でもだいたい同じくらいの時間かもう少しかかるくらいで終えられるのではないかと思います。

マネークリップはパーツが少なく、縫う範囲も狭いので初心者の方向けにぴったりです。簡単な割に出来上がる製品はいかしたマネークリップなので時間を掛ける勝ちはあります。

ぜひ挑戦してみてください。